介護施設内でも?福祉用具事故に注意!

さまざまな場面で、高齢者や障害者の生活のサポートをする福祉用具。施設内や介護サービス利用者のお宅などでも、毎日のように目にしますね。福祉用具と聞いてまず思い浮かぶのは車いすや介護リフト、ベッドなど。

また、手すりや歩行器、ポータブルトイレなども介護保険適用の福祉用具です。
利用者の生活を支え、介護者の負担も減らしてくれるこれらの福祉用具は、介護の現場では欠かせない存在。
ですが、どんな便利な道具でもそうであるように、使い方を少し間違えると重大事故につながりかねません。
身近な福祉用具で起きた事故事例と、注意点を見ていきましょう。

介護ベッド用手すり・サイドバー

事例1)利用者が介護ベッドサイドバーの隙間に頭をはさまれ、死亡した状態で発見された。

事例2)手すりをつかんだ利用者が、床に転倒したはずみで手首をはさまれケガを負った。

発生件数は少なくなっているものの、死亡につながるケースが多いのが介護ベッド周りでの事故です。

まずは利用しているものが、2009年以降製造の新JIS規格適合製品かどうかを確認しましょう。それ以前に作られたものは、メーカーから隙間を埋めるパーツが無償配布されています。

また、手すりやサイドバーが正しい方向に取り付けられているか、しっかり差し込まれているかも日々確認しましょう。電動ベッドでは、急に角度が変わったことで利用者の体が巻き込まれる事故も起きていますので、リモコンの置き場所に要注意です。

介護リフト

事例1)車への乗降中に車いすごと落下した利用者が、急性硬膜下血腫により死亡。

車への乗降時や入浴時に利用される介護用リフト。正しい使い方をすれば、利用者・介護者両方の負担を減らしてくれます。
しかし、残念ながらこの10年で負傷者24名、死亡者4名を出しています。

介護リフトは活躍の場が多いだけに、専門家による定期的なメンテナンスだけでなく、使用者自身の日常点検が欠かせません。リフトの吊り具部分は消耗品ですので、布や糸がほつれていないかは使用前に毎回確認。
また、利用者を乗せる前に異音や異常振動がしていないか、きちんと充電されているかどうかをチェックしましょう。

ポータブルトイレ

(事例1)ひじ掛けと背もたれの隙間に首をはさみ、利用者が死亡。

事故を起こした製品はリコール済みですが、もし利用者の体の一部分がはさまれそうな隙間のある製品は要注意。長年利用を続けているうちに、ひび割れなどで隙間ができやすくなることもありますので、こちらも時々確認しておきましょう。

車いす

(事例1)施設内を移動中に車いすごと転倒し、利用者が頭部打撲。職員が操作中の事故。

(事例2)施設内を走行中に曲がろうとして転倒、頭部打撲。

車いすは屋外での事故も目立ちますが、このような室内での事故も少なからず発生しています。
基本的な安全点検はもちろん、車いすを動かすときは利用者に一声かけるのを忘れずに。
特に耳が遠い方には、こちらの言葉が伝わっているかしっかり相手の反応を確認しましょう。
また、利用者には使用上の注意点(カーブ時は減速など)もしっかり伝え、自分で操作ができる方であっても、なるべく見守る姿勢を心がけたいものです。

いかがでしたでしょうか?
利用者への気遣いや、日頃からの注意で思わぬ事故を防ぐことができます。
自身で気をつけるだけでなく、利用者とその家族とも器具に関する知識を共有していくことも大事です。
安全な器具の使用を行い、事故の防止に努めていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る