ガイドヘルパーってどんな資格? 取得するには?

ガイドヘルパーという資格をご存知ですか?
正式には「移動介護従事者」といわれます。
「移動介護従事者」は、障害のある方を補助し、移動や、外出の介助をするのが主な業務です。
もちろん介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)でも移動介助は行えるのですが、ガイドヘルパー資格があると、より多くの対象者を介助できるようになるため、今人気が高まっています。

比較的取得しやすいことから、2個め、3個めの資格として選ぶ人も多いガイドヘルパー。
今回は、その仕事内容や、どうすれば取得できるかなど、詳しくお伝えしましょう。

ガイドヘルパーの研修制度は3通り

2013年に施行された障害者総合支援法。
障害者の方が、健常者と同じように外へ出て、地域社会と共生できるよう発足しました。
現在、介護職が支援できるのは、知的障害者のみで、全身性障害者や視覚障害者の外出を支援することはできません。
けれどガイドヘルパーならば、そういった方々の支援を業務として行えます。

現在の研修制度は、以下の3つに分けられています。

「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」

行動に著しい困難のある、身体に障害のある方の外出で、移動介助などを行う資格

「視覚障害者同行援護従業者養成研修」

 行動に著しい困難のある視覚障害者の外出で、必要な情報を提供したり、移動・排せつ・食事などの介護などを行う資格 

「知的・精神障害者行動援護従業者養成研修」

行動に著しい困難のある知的障害・精  神障害があり、常に介護を必要とする方に、危険回避のための援護や、移動中の介護などを行う資格

ガイドヘルパーの仕事内容は、これらのうちどの資格を持っているかで変わってきます。
それでは、詳しい仕事内容を見てみましょう。

ガイドヘルパーとはこんな仕事

①全身性障害研修修了ガイドヘルパー

この資格をとれるのは、介護職員初任者研修を取得したか確実に取得するとみなされた場合、または介護福祉士の有資格者に限られます。
つまり、仕事内容としては介護の仕事+外出支援ということになります。
病院や映画館、旅行まで、行先に制限はなく、車いすの介助や交通機関の利用、外出時の衣類の脱着などの支援となります。
全身障害の方はなかなか外へ出ていく機会がありません。ガイドヘルパーは、この方々が安心して、余暇を思う存分楽しむための全面的なサポートを提供します。

②同行援護従事者養成研修修了ガイドヘルパー

誰でも取得できるため、介護職のようなサービスは仕事内容に含まれません。
主に視覚障害者の外出に付き添い、安全な移動や公共機関の利用を支援します。
代筆や代読についても、研修のカリキュラムに含まれています。
その他自治体ごとの制度や、利用者本人の意向などにより、サービス内容はさまざまです。
視覚障害者の自立と地域への参加に貢献できる、やりがいのある仕事です。

③行動援護従事者研修修了ガイドヘルパー

②と同様、誰にでも受講できます。基本的に介護サービスは含まれませんが、相手次第で異なってくるので注意が必要です。
知的・精神的障害者に対する社会の理解は、まだまだ成熟したものとはいえません。この資格は、知的・精神的障害者の外出に付き添い、安心して社会参加してもらうことを目標とします。
ガイドヘルパーは、研修で身につけた専門知識で、障害者の方とスムーズなコミュニケーションをとり、楽しい外出をサポートします。

※ガイドヘルパー制度は自治体により違いがあるため、ご自身の地域における制度を調べておくことをおすすめします。

ガイドヘルパーになるために

ガイドヘルパー資格は今、ニーズの高まりとともに、人気を集めつつあります。
ではいったいどのようにして取得するのでしょうか。

地域によって若干の違いはありますが、ほとんどの場合、自治体指定の養成講習を修了することで資格が認定されます。シルバー人材センターや、ハローワークなど、研修を扱っているところは多くあります。
最近では、民間のスクールや企業も研修を実施していて、費用も数万円と、それほど負担の大きなものではありません。

一般的な研修時間は、

  • 全身性障害者のための研修・・・8時間~(1~3日間)
  • 視覚障害者のための研修・・・32時間(5日間)
  • 知的・精神障害者のための研修・・・20時間(3日間)

と、比較的短期間で取得できる資格となっています。
介護の仕事をしながらでも取りやすく、スキルアップを目指す人にも人気です。

障害のある方は、なかなか外へ出ていくチャンスがなく、社会とのつながりも途絶えがちです。
ガイドヘルパーは障害者の外出支援の専門職ですから、不安が大きく外出をあきらめていた多くの障害者の方々にとって、よき理解者であり、社会への架け橋といえるでしょう。

在宅介護の場や、福祉施設で、介護サービスとともに必要不可欠なヘルパーとして、今後もその需要は増えていくとみられるガイドヘルパー。
ぜひチャレンジして、仕事の幅をひろげてみてはいかがでしょうか。

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