カジノ・パチンコ・麻雀…やり過ぎデイサービスがついに一部規制?!

音楽療法、運動療法、そしてアミューズメント療法!?

デイサービスでは、入浴や食事介助などの日常生活支援、そして機能訓練を行っています。とはいえデイには元気な利用者さんが多いですから、訓練は身体機能維持や向上がメイン。機能回復のためのリハビリと違い、歌ったり軽く運動したりと楽しみながら行うスタイルが主流です。

ところが最近は、さらにお楽しみ要素の強い機能訓練を行うデイが増えてきました。
スロットやパチンコ、マージャンはもちろん、中には本格的なカジノルームを備えた施設まで。

歌や工作などは「まるでお遊戯だ」と好まない方が、これらの「アミューズメント型デイ(以下、アミューズ型デイ)」には足しげく通う…。どうやら、一部でこれを問題視する声があがっているようです。

神戸市はアミューズ型デイの一部規制を検討中

一般のデイサービスでは、機能訓練の内容や時間はあらかじめ決まっています。
ですが、アミューズ型デイでは特に時間を定めず、丸一日パチンコやマージャンに興じることもあるのだとか。これでは、デイサービスに行っているのかパチンコ屋さんに行っているのだか分かりませんよね。
また、疑似通貨の導入で「射幸心をあおる」「利用者間のトラブルにつながりかねない」ことも心配されています。

そしてこれらが介護保険上の介護サービスとして行われている点もまた問題。
利用者が実際に負担する金額は1割(または2割)。残りは介護保険料や国、もちろん各自治体も負担しています。必要以上のサービスに、必要以上に財源を圧迫される可能性があるとなると、やはり反対する自治体が出てくるのも、無理ありません。

現在、神戸市では、
『日常生活を著しく逸脱して遊技を利用者に行わせること。疑似通貨等、射幸心を著しくそそり、依存性が著しく強くなるおそれがあるものの使用。賭博又は風俗営業等を連想させる名称又は内容の広告。』
の規制を検討しているようです。

一方、アミューズ型サービスの成功例も

大手ポータルサイトの調査でも賛成派・規制派と意見が割れたアミューズ型デイですが、実は10年以上も前にアミューズ型で大成功を収めた自治体がありました。

当時は今ほど介護予防が重視されていなかった頃です。そんな時代に「要介護状態になるきっかけは衰弱や転倒、骨折が多い」こと。そしてそれは自宅に引きこもりがちになり、体を動かさなくなるのが原因だといち早く気付いたのが和光市です。

和光市は、仲間とわいわいしゃべったり、料理やトレーニングを気軽に楽しめるサロンや施設をあちこちに作りました。そんな場所が徒歩で行ける距離にあれば、たしかに「今日も出かけてみようかな」という気分になりますよね。そして、こういった活動に消極的な男性を引き込むためにカジノやパチンコなどのアミューズ型サービスを導入したのです。
高齢者が出歩きたくなる街を目指した「和光モデル」は見事成功し、いまだに要介護認定率は全国平均を大きく下回っています。

ポイントは「娯楽」と「介護」のバランス?

問題視されているとはいえ、アミューズ型デイを楽しみにしている利用者は少なくありません。

和光市のアミューズ型施設では、常駐看護師や栄養士が健康相談や指導をしっかり行っているといいます。最近のアミューズ型デイは「和光モデル」をお手本にした部分もあるのでしょうが、せっかくなら「娯楽」と「介護」を上手く調和させたバランス感覚も、ぜひ見習いたいものですね。

「「娯楽型」介護施設の規制、あなたはどう思う?」(Yahoo!ニュース): http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/other/18402/result

「介護が少ない街、和光市の秘密」(東洋経済オンライン):http://toyokeizai.net/articles/-/31613

入国管理局 在留資格一覧表: http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.html

「介護保険事業のアミューズメント型デイサービスの規制」(神戸市): http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000079099.html

The Huffington Post Japan 「人手不足」と外国人(1) 「介護士・看護師受け入れ」はなぜ失敗したのか: http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2015/08/20150811133301.html

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