介護職につきものの夜勤を上手に乗り切る心構えとは?

介護施設は24時間365日、休むことはありません。
そこで働く介護スタッフにとって、避けて通れないのが夜勤。
長時間にわたる夜間帯を、少人数、ときには一人で対応することになります。
「医療スタッフがいない夜間は緊張の連続・・」
「何かあったときに自分ひとりで対応できるか不安」
大きな責任とプレッシャーを伴う夜勤は、新人はもちろん、経験を積んだベテランスタッフでも心身ともに消耗するもの。
そこで今回は、介護職の方々がおぼえておきたい、夜間の主な仕事内容と注意点、そして夜勤にのぞむ心構えをお伝えしましょう。

夜勤の仕事ってどんなもの?

夕方から朝にかけての勤務の場合、主に、

●食事の準備と介助
●就寝準備
●排泄処理
●おむつ交換
●巡回・見守り
●ナースコール対応
●記録
●翌日の準備

などの業務があります。
とくに夜間の巡回については、
①居室の室温や光の調整、換気を行い、快適に眠れる環境を整える 
②入居者の呼吸状態、臥床姿勢、車いすやポータブルトイレの位置を確認する 
ことがチェックポイント。

また、眠れない入居者に対しては、徘徊や、頻繁に鳴るナースコールについ苛立つことも。
しかしそれが伝わると、ますます相手の不安を煽り、思わぬ事故にもつながりかねません。
眠るより前に、まずは落ち着いてもらうために、次のようなことに注意しましょう。

①相手の話を適当に受け流さず、真剣に受け答えする
②否定せず、ゆっくり相槌をうつ
③甘いものや温かいココアなどを用意して対応すると、落ち着かせるのに効果的
④居室から出てきたときはまず理由を聞く
⑤徘徊は無理やりやめさせるのでなく、安全に歩ける場所を提供する

このように相手の気持ちを汲んだ対応をしているうちに、落ち着いてまた眠りに入る方がほとんどのようです。

夜勤とうまくつきあうコツ

とはいえ、頭でわかっていても、眠気や疲れがたまってくると、つい対応もおろそかになってしまいがち。
それでは、夜勤の仕事とうまくつきあっていくには、どんなことを心がければよいのでしょうか。

●待機時間を有意義に過ごす

いつ何が起きるかわからない深夜。けれど、何もない穏やかな夜もあるものです。
利用者が落ち着いていて、急変もないときは、日中より自由になる時間ができるので、そこを有効に活用しましょう。日ごろなかなかできない作業や、スキルアップのための勉強など、自分にとっても周りにとってもプラスになる時間の使い方ができれば、辛い夜勤も一味ちがったものになります。

●眠気を吹き飛ばす工夫を


夜勤で苦労するのはやはり「睡魔」。長いときは17時間にも及ぶ勤務の合間には、ふと耐えきれない眠気に襲われることも。眠いと集中力が途切れ、思わぬミスも生まれます。そんなときはちょっとした目を覚ます工夫をしてみてください。
「保冷材や氷で、おでこや首筋を冷やす」「硬いお菓子やガムを噛む」「普段やらない箇所の掃除など、体を動かす」「歯磨きをする」「クール系の目薬をさす」などが、簡単ですが効果大です。

●寝だめはNG


夜勤前に、必要以上に寝だめをすると、浅い睡眠でかえって体が疲れてしまいます。寝だめよりは、勤務中の仮眠がおすすめ。30分程度でも、脳がリフレッシュして、注意力を取り戻すのに役立ちます。

●夜勤明けは体内時計を元通りに

夜勤を終えて疲れたからと、日中眠ってしまうと、夜に目がさめてしまいます。これでは翌日がお休みだとしても、すっきりしないまま終わってしまうことに。
夜勤明けに帰宅したら、まず一度眠り、午後からは普通に過ごしましょう。そして夜は少し早めに就寝すれば、翌朝は気持ちよく目覚め、一日を有意義に過ごせます。


いかがでしたか。
介護の現場にいる限り、夜勤がなくなるということはありません。
けれど、ちょっとした工夫と心構えで、夜勤に対する意識を変えていくことはできます。
利用者様に安らかな夜を過ごしていただくために、心身ともに万全でのぞみたいものですね。

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